Vegan Tiramisu 〜ヴィーガンティラミスと精進料理のはなし〜

ヴィーガンティラミス。

試作を重ね、やっと完成!

ティラミスをマスカルポーネから作るように、ヴィーガンティラミスもヴィーガンマスカルポーネから作ります。

ヴィーガンチーズ

フィットネス生活を始めてからヴィーガンチーズを作る機会が多くなりました。Vegan Cheeseと検索すると、たくさんレシピが出てきます。

ナッツから作るもの、お豆腐から作るもの、豆乳から作るもの、色々あって、海外ではカシューが主流。日本ではカシューはコストがかかるし、ナッツはヘルシーだといっても量を使うとカロリーが高い。カシュー、ニュートリショナルイースト、レモン、白味噌がベースのチーズはそれはそれでとても美味しいけれど、どこか食事向き。お菓子には向かないような気がしていました。

最近は日本でもヴィーガンレストランが増えて、日本で手に入りやすい食材を使ったチーズのレシピを目にする機会が増えてきました。私が一度食べて忘れられなかったのは、日本のソウルフードのお豆腐を使った豆乳クリーム。

AIN SOPH.ができたばかりの頃、ランチのデザートに食べたピンク色のビーツのティラミスの美味しさが衝撃的でした。植物性の材料だけで、あのクリーミーさと全く豆乳臭のないコクのあるティラミスが作れるなんて!

スクリーンショット 2020-06-18 0.37.34

(AIN SOPH. HPより)

メニューには「オリジナルの豆乳クリーム使用」と書いてあります。お店の方に豆乳クリームを購入できないかとたずねると「お問い合わせが多いのですが、豆乳クリームのみの販売しておりません」とのこと。みんな同じこと考えてるのねぇ(笑)

それから自宅で何度か試作してみましたが、これ!というものに辿り着かず、すっかり諦めていました。けれど、去年から本格的にフィットネスの世界に飛び込んで、減量期でも食べられるお菓子を考えていたところで、またこのティラミス熱が再燃。

豆乳クリームのベースとなるのは、火にかけた豆乳にレモンを絞り、ホエイを分離させた豆乳リコッタチーズ。最初に作ったのは、レモンが効きすぎてテクスチャーも固く、舌触りも悪かった。

またリコッタからやり直し。酸味を抑えて、テクスチャーをなめらかにするために極力レモン汁の量を抑える。豆乳が固まるぎりぎりのレモンの量。豆乳を温める温度も大切です。

試作を繰り返し、できあがったのがこれ。

DSC_1104

断然クリーミーでな舌触りめらかな仕上がりになりました。香りづけのためレモンゼストも加えて。スポンジの代わりにエスプレッソを染み込ませたヴィーガンクラッカーを使っています。

実は私、ティラミスのスポンジ部分が苦手です。あの甘くて、湿った食感がどうもダメで…去年の夏イタリアに行った時、灼熱のローマで何度もティラミスを注文しました。どれもスポンジ部分が多くて、甘くて、ぬるい!ますます苦手になってしまった。

だけどやっぱりレイヤーじゃないとティラミスじゃない。そこで、ザクザクのホールウィートクラッカーと豆腐ガナッシュの3層にしました。

DSC_1113-2DSC_3601-3– まずは豆乳リコッタチーズから

豆乳リコッタの手順も牛乳から作るリコッタと同じです。ポイントは、無調整豆乳を使うことと、温める温度。

豆乳リコッタチーズ

材料:

無調整豆乳 500ml

レモン汁 30ml (大さじ2)

塩 かるくひとつまみ

作り方:

❶ お鍋(ソースパン)に豆乳を入れて中火にかけ、70℃まで温める。

❷ レモン汁を加え、数回やさしくかき混ぜて、10〜15分置く。徐々にホエイが分離して、おぼろ豆腐のように固まってくる。

*やわらか仕上げのポイントは、ホエイと脂肪分が完全に分離していない状態にすること。ホエイがクリアではなく、少し豆乳色に濁った状態。

❸ ボウルにざるを置き、二重にしたチーズクロス(丈夫なペーパータオルでもok)を敷いて❷を注ぎ入れる。チーズが漏れないように、クロスの端はひねるか、折りたたむ。

❹ 冷蔵庫で2時間ほど水切りする。水切りできたら、最後にクロスをひねって軽く絞る。

❺ ボウルに移し、塩を混ぜて味を整える。

– 次にココナッツホイップクリームを作る

豆乳リコッタに混ぜるココナッツホイップクリームを準備します。

材料:

ココナッツミルク(フルファット) 1缶(400ml)

てんさい糖(サラサラの溶けやすいもの)大さじ2

バニラエクストラクト 小さじ1/2

DSC_9353

ココナッツミルクはAYAMがおすすめ。日本で販売されているココナッツミルクの中で一番濃厚で、ホイップクリームにしやすい。紀ノ国屋やamazonで販売しています。その他のココナッツミルクや、増粘剤入りのものではホイップできないことがあります。これはココナッツヨーグルトにするにもベスト。

DSC_1410

泡立てた後のココナッツ独特の質感。キメの細かさはココナッツミルクによっても違う。

準備:

ココナッツミルク缶は逆さまにして冷蔵庫で一晩冷やし、脂肪分を分離させる。

ホイップする15分前にボウルも冷蔵庫で冷やしておく。

作り方:

❶ ココナッツミルク缶を中身を揺らさないようにそっと冷蔵庫から取り出し、缶の上下をひっくり返して開ける。分離した水分を注ぎだし、脂肪分をスプーンですくい出す。予め冷蔵庫で冷やしておいたボウルに入れ、ハンドミキサーで泡立てる。*キッチンエイドよりハンドミキサーの方がベター。

❷ 5部立ちになったら、てんさい糖とバニラエクストラクトを加え、角が立つくらいまでホイップする。ココナッツミルクによっては水っぽく、ホイップできないことがあるので、その場合は、小さじ1/2の粉寒天を加えて混ぜる。

*しっかり泡立てないと後で作るマスカルポーネがゆるゆるの仕上がりになってしまいます。

– 豆腐ガナッシュを作る

DSC_1504

材料:

絹ごし豆腐 300g

*ローカカオパウダー 25g

*メープルシロップ 大さじ3

*ラム酒 大さじ1(酒飲みさんは2)

*塩 ひとつまみ

精製ココナッツオイル 35g

❶ お豆腐は8等分に切る。水から火にかけ、沸騰したら弱火で10分茹でて、ざるにあげ水切りする。水を切った後は200gほどになる。

❷ 水を切ったお豆腐と*印の材料を全てフードプロセッサーに入れ、滑らかになるまで混ぜる。ココナッツオイルを少しずつ加え、乳化して艶が出るまで混ぜる。

❸ 保存容器に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。

– 豆乳リコッタとココナッツホイップクリームを合わせてヴィーガンマスカルポーネを作る。クラッカー、豆腐ガナッシュを重ねて、グラスに盛り付ける。DSC_1083-4

材料: φ65×H70 / 210ml グラス3個分

*冷やした豆乳リコッタチーズ 全量

*ココナッツホイップクリーム 200g

*メープルシロップ 大2

ノンワックスレモンの皮 適量

ヴィーガンクラッカー(Carr’s Whole Wheat Crackers) 6枚

エスプレッソ 適量

カカオパウダー 適量

冷やした豆腐ガナッシュ 好きなだけ

作り方:

❶ *印の材料を全てフードプロセッサーで混ぜる。ノンワックスレモンの皮を加えて混ぜる。

❷  グラスの底にクラッカーを1枚敷き、エスプレッソをしみ込ませる。その上に豆腐ガナッシュを重ねる。その上に豆乳クリームチーズを重ねる。これをもう一度繰り返す。

❸ 冷蔵庫で冷やし、仕上げにカカオパウダーを振るって召し上がれ。

ヴィーガンティラミスは工程が多いように見えて、実はフードプロセッサーで混ぜて合わせるだけの簡単レシピ。個々のチーズ、クリームは色々と応用が効いて、食事にもデザートにも使えます。

DSC_9185

ヴィーガンブラータ。

基本の作り方は同じ。甘味は加えず、湯葉で包めばブラータにも。

このレシピはまた後ほど。

日本のヴィーガン

ヴィーガンはつまり、日本でいうところの精進料理です。

精進料理は、仏教の戒めに基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理。私の母の実家は曹洞宗のお寺です。昔はよく檀家さんを集めた寄り合いがあって、お寺の大きな台所で檀家さんのお母さんたちが作った精進料理を食べる会が大好きでした。

精進料理

お寺の精進料理は写真のような小鉢ではなく、大きな漆塗りの器にワンプレートで盛り付けてありました。

お煮しめ、ひじき煮、煮豆、高野豆腐、白和、たぶ(九州の郷土料理)あらゆるお漬物など。私は特にだぶが大好きで、実家に帰る時は必ずおばあちゃんに”かしわご飯”と”だぶ”をリクエストしていました。今でもおばちゃんが電話越しに「何が食べたいとね?」と聞いてくれるのを思い出すたびに涙が出そうになるのです…

私がヴィーガンに興味を持ち始めたのは、きっとそんな背景があるからだと思います。曹洞宗のお寺の息子たちは、みんな福井県にある永平寺に修行に行くはず。修行の中で、精進料理もきっちり覚えて帰ってきます。私のいとこもヴィーガン料理をはじめ、料理上手です。

インスタグラムで繋がった海外のFoodieたちが日本に来る時は、懐石料理か精進料理のお店に連れて行きます。みんな目を輝かせながら喜んでくれます。

私自身はヴィーガンではなく、ベジタリアン。思想や宗教、アレルギーからの制限ではないので、厳しいルールは全くありません。家族はお肉を食べるので、「命をいただく」ということ、残さず食べることだけはしっかり伝えています。

それでは、また。

Love,

コメントを残す